ここではESXシリーズのデッキ分解を説明します。ESRも同じデッキですので、こちらを参考にして下さい。

天板を開けた状態です。まず2箇所のネジを外します。両横のネジは緩めておくとデッキが取り出しやすいです。

裏返した状態です。赤丸がデッキを固定しているネジです。青丸はデッキの固定とは関係がありませんが、取り出すときにネジの出っ張りが引っかかりますので外しておきます。デッキを取り外すときは、ヘッド下部を(写真の四角く開いた部分)を手で押し上げて外して下さい。

取り出されたデッキです。

まず、デッキ右側のネジを外します。このネジを外すと右側の金具が外れます。この時、青丸で囲ったプラスティックのキャップを無くさないよう気をつけてください。

次に左側の赤丸部分を押してあげると、ドアがバネの力で開きます。ここではドアを押さえながらゆっくりと開けてください。手で押さえないと勢い良く開いて、部品が散乱してしまいます。こちら側も右側と同様に白いプラスティックのキャップがありますので、無くさないよう気をつけてください。

ドアを開けるバネはこのように装着されています。

爪で引っ掛けてあるだけの黒いカバーを外すとこの様にメカが見えます。ESXシリーズでよくあるトラブルが右側のピンチローラーの固着です。このピンチローラーは下の写真のようにプラスティックのワッシャーで止められています。

このワッシャーが曲者です。25年以上前のものなのでかなり劣化が進んでいます。これを外すときは十分注意をしながら外してください。ちょっと力を入れるだけで割れてしまいます。私の場合、割って新しいワッシャーに交換しています。もし割ってしまってどうにもならないときは、ワッシャをお分けいたします。取り外したら、古いグリスは拭きとってグリスアップしてください。固着していない場合は、触らない方がよいと思います。

次によくある故障としては、リールの回転を検知するセンサーの故障です。センサーは歯車の下にあります。銀色のプラスティックのキャプをペンチでゆっくり引き抜くと下の写真のような状態となります。

ここにもプラスティックのワッシャーがあります。慎重に外してください。本当によく無くします。このワッシャーを外すと歯車が取り外せます。

これが問題のセンサーです。歯車の隙間からの光を検知して、リールの回転を見ています。光はアイドラーの上の麦球の光を黒パネルの裏側にある導光板(下の写真の緑色の部品)を伝ってきます。このセンサーはNECのフォトトランジスタPH102で、ヤフオクでも出品されています。(120円くらい)また、センサーが汚れて光を検知できない場合もありますので、まず汚れを確認して見てください。交換の必要が無い場合もあります。PH102がどうしても入手できない場合は、応急対策がありますが、それば別の機会で説明します。

ESXシリーズのデッキで100%ダメになるのが、ドアのダンパです。ほとんどのデッキで、下の写真のOリングが劣化してジェットオープン状態になっています。このOリングはホームセンターで売っている6mmのOリングで代用可能です。Oリングを交換して、グリスを塗ってください。グリスはなんでも良いというわけでは無さそうです。いろいろ試してみましたが、今のところ、プラモもエアブラシに使うOリング用のグリスを使っています。

下のグリス(エアテックス グリスGR)は、ヨドバシカメラで買いました。(\330)

次はベルトの交換です。

4箇所のネジを外して、ベルトを交換します。ESL以降のデッキと同様に、φ70mm x 5mm x 0.5mmのベルトでOKです。ベルトは千石で購入できます。上の鉄板の裏はモーターのドライブ回路があります。ESGのデッキと同様にコンデンサのチェックをしてください。