TC-RX711の分解整備

RXシリーズは、オートリバース機となります。ソニーの場合、ハイグレード機種はすべてシングル機となっており、RXシリーズはすべてエントリー機種の位置付けとなります。ここで紹介するのは、TC-RX711ですが、他機種でもほとんど変わりは無いと思います。少なくともTC-RC70、TC-RX77、TC-RX79、TC-RX715については同じであることを確認しています。

まずは、デッキを本体から取り外します。カセットフォルダは、TC-K710Sなどと同じく安っぽいプラスティック製で、当然スタビライザーなどもありません。

ホルダーは。上記の赤丸を外すことで開きます。

ホルダーを外した状態です。ホコリ、汚れが酷い状態ですが、大抵のデッキはこのような状態なので、さほど気にはなりません。赤丸のネジを外して、カバーを取ります。

カバーを外すとこのようになります。赤丸のワッシャを外して、両側のピンチローラーを外します。ピンチローラーはTC-K700Sの分解説明の通り、爪で引っ掛けているだけなので簡単に外れます。

すべての部品が外れたら、次は裏面に移ります。

4箇所のねネジを外します。

フライホイールが見えるようになりました。ESシリーズでは、キャプスタンベルトが溶けてタール状になることはまず有りませんが、RXシリーズの場合、ほぼ100%ベルトが加水分解を起こしています。

赤丸で囲った部分は、劣化したベルトの残骸です。フライホイールに張り付いたベルトは除去するのに手間がかかるので大変です。

次に、リールモーターを取り外します。黄色丸のネジを外します。赤丸部分は、時々ワッシャーが残っている場合がありますので注意して見ておいて下さい。

これで一通りの分解が完了しましたが、RXシリーズの場合は、ロータリーエンコーダーの分解清掃が必須となります。

赤丸部分がエンコーダーです。はんだを除去して、2箇所のネジを外します。

外れたら、分解です。カッターを隙間に入れて、カキの口を開けるように割って行きます。

このように3つのパーツに分解されます。真ん中の5つの接点が見事に真っ黒になっています。こうなると、まったく操作ができなくなってしまいます。ヤスリで汚れをとり、アルコールで洗浄します。

きれいになりました。

分解状態です。次に組み立てです。

モードベルトを交換します。ベルトはESシリーズと同様に赤丸部分にベルトを引っ掛けておきます。また、真ん中の赤丸のポッチが真下に来るように調整します。

ロータリーエンコーダー側も赤丸の開口部が真下に来るよう調整します。ポッチ部分と開口部にはまるよう組み立てて行きます。

リールモーターの次は、フライホイールです。ここでベルトの賭け方に注意が必要です。オートリバース機の場合、ベルトをかけるのは左側のホイールだけとなります。赤丸部分に2箇所の爪がありますので、ここにベルトを掛けておきます。

キャプスタンモーターを取り付けたら、爪からベルトを外して、モーターに掛けます。

両側のキャプスタン、アドラーを取り付けます。また、清掃も同時行っておきます。

カセットホルダーを取り付けたら完成です。