ブログ

2017年01月29日 17:50

ソニーのデッキはテープの巻き込みによるトラブルが多いことで有名です。原因は2つあります。一つ目の原因は、送り側のピンチローラーを固定している軸が経年により抜けてきて、テープパスがずれることです。2つ目の原因は、送り側のピンチローラーのゴムの劣化です。劣化が進むと、ゴムが硬化したり、真円度が失われたりしてきます。表面だけが硬化している場合は、ヤスリで削ることで対応していますが、全体が硬化してしまったり、真円度が失われると交換するしかありません。これまでは、部品取り用のデッキから移植していましたが、在庫が減ってきており今後の修理に支障が出てきそうな状態になっていました。そこで、ゴム試作をやっている中小企業をいろいろと尋ねてまわった結果、試作を引き受けて頂けるメーカーが見つかりました。写真は、ピンチローラーの試作品です。
さっそく、デッキに装着し、動作確認をしみましたが、今のところ問題なく動いているようです。

2016年04月24日 21:52

ソニーのデッキでどれがお勧めかという質問をよく受けます。ソニーマニアの間では、777ESⅡで頂点を極めたと言われているように、ESXシリーズ以降のデッキであれば、機能的な進歩は若干あるものの、基本的な性能はほとんど遜色無いと言ってよいと思います。ESXシリーズからKAシリーズのデッキは、1987年から1995年の間に製造された20年以上前のデッキです。デッキ性能はどのシリーズかというより、どれだけ良い状態で保存されていたかに依存します。KA7ESであっても、保存状態が悪ければ性能は222ESGよりも、はるかに劣る場合があります。逆に、保存状態がよければ、333ESGでもKA7ESと比べても全く遜色ないデッキもあります。よって、購入される際はデッキの保存状態等を質問で確認されることをお勧めします。また、ESJ、KAシリーズのデッキは中古価格が上昇していますので、コストパフォーマスという点では、ESG、ESLシリーズがお勧めです。ESXシリーズ以前のデッキは、ヘッドの摩耗リスクが非常に高いので、必ず摩耗状態を確認してください。また、333シリーズと555シリーズの違いは、銅メッキシャーシ、セラミックのインシュレーター程度です。デッキは全く同じ(選別はあるかもしれません)で、回路も使われているコンデサが違う程度です。定価の価格差ほどの有り難みは無いと思います。

2014年08月17日 19:00

最近、オークションで落札したカセットデッキの修理依頼を受けることが増えています。いずれも動作品を落札されているのですが、購入して数日で動かかなくなった、テープを巻き込んでしまう、高音が出ない等症状は様々です。カセットデッキはメカニカルな部品が多く、経年とともにベストな状態から少しずつ劣化してくることは避けられません。製造から20年以上もたつと、アジマス、テープパスは確実にずれています。ベルト類も、落札時は動いていても使用限界直前の状態のため、すぐに動かなることが多いようです。また、メカだけでなく、電子部品もコンデンサの容量抜けなどの劣化があります。結論から言いますと、デジタル制御となった最近のCDや、メカの無いアンプなどは中古品を購入してもトラブルは少ないと思われますが、カセットデッキに限って言うと、中古品の購入は非常にリスクが高いと言えると思います。オークションで中古を購入される場合は、ノーメンテの中古品ではなく、きっちりと整備されたデッキを強くお勧めします。業者さんも含めて結構の方々が出品されています。ノーメンテ品に比べて若干値段は高くなりますが、買ってすぐ動かなくなる、或いは、性能が出ないといったトラブルの心配は無くなります。

2013年07月28日 22:32

かつては、10万以下で非常に性能の高い単品コンポが各メーカーから発売されていました。しかし、携帯オーディオが主流となった今日では、極端に安い機種、超高級機種の2極化が進み、普通のオーディオファンが気軽に購入可能な製品が少なくなってきています。オークションで中古のオーディオ製品が多く取引されているのは、そういった背景があるからでしょう。ヤフオクでも、「動作品」と称して往年の名機が多く出品されていますが、落札には注意が必要です。電気製品はオーディオ機器にかぎらず、10年を超えるよう使用を想定して設計・製造されていません。10年を超えてなお動いている機器は、たまたま動いているだけであって、いつ壊れてもおかしくない状況です。また、動いていたとしても調整がずれてしまい、本来の性能が全く出ていないケースが多々あります。実際に、複数の動作するデッキを落札して確認してみましたが、すべてのデッキにおいてアジマス、再生・記録レベル等がずれており、酷い音でした。これは、デッキに限らず、CD、アンプ、チューナーなどにおいても同様です。そこで、お勧めなのが、メーカーをリタイヤしたとおもわれる方が出品されている整備済みの機器です。修理業者と違い、価格もリーズナブルで、しっかりと整備されているので安心して使用可能です。私も、アンプとチューナーは、整備されたものをオークションで購入して使用しています。2年ほど使っていますが、トラブルもなくとても快調です。ただの「動作品」と比べると、若干高めではありますが、その違いは歴然としたものがあります。是非、お勧めします。