TC-K555ESGです。電源は入りますが再生、FF/REWできません。汚れ、埃もひどい状態です。写真では伝わりませんが触るもの躊躇するほどです。
天板を開けてみました。埃がひどく見ているだけで喘息になりそうですね。
雪が降っているようです。
まずは、サイドウッド、天板、底板、フロントパネルを取り外します。取り外した後、ひっくり返した状態の写真です。
フロントパネルと操作キーを洗剤でクリーニングします。
ホコリの酷い基板も洗剤でクリーニングします。洗浄後に徹底的に水分を除去することが前提です。危険ですのであまりマネをされないようにしてください。
天板、底板も同様にクリーニングをします。
乾燥後の基板です。きれいになりました。
天板もきれいになりましたが、若干キズが出てきました。洗浄前は傷はなかったのですが、汚れの下で塗装が劣化していたようです。洗浄することで弱った塗装が剥がれて傷として現れます。25年もたてば仕方がありません。
次はデッキの修理です。こちらも埃と汚れが酷いです。
バラバラに分解です。パーツについた埃と古いグリスを取り除きます。ピンチローラーについた磁性体もアルコールできれに除去します。モータードライブ基板のコンデンサも交換します。
これで元通りです。埃と汚れがとれて綺麗になりました。
ESGシリーズはDolby周りの電解コンデンサが液漏れを起こしている場合は非常に多いです。記録側と再生側のコンデンサを全数交換します。(写真は再生側)
基板の裏側まで漏れた液で影響を受けています。フラックスクリーナーで腐食を落とします。
次にタクトスイッチの交換です。キー操作のためにスイッチですが、接点が劣化することで誤動作をおこすことがあります。(例えば、再生操作をすると、録音スタンバイになるなど)
最近はんだ吸い取りき器を導入して、作業がたいへん楽になりました。(懐はいたみましたが...)
試しにオン抵抗を測定しましたが、本来0オームのところが180オームありました。この程度であれば誤動作はしないのですが、そのうち抵抗値が増えてきて誤動作をおこしますので、症状の有り無しに関わらず全数交換が必要です。
デッキの分解整備と、洗浄を終えて、再び元の通りに組み立てて動作を確認します。無事動作を確認し一安心といったところです。あとは最後の仕上げで細部のクリーニングです。
入出力端子、操作つまみ、天板のネジの台座、電源プラグのも、長年の汚れが蓄積していますので、きれいに洗浄します。
いずれも、綺麗になりました。最後に、カセットホルダを研磨材で磨いて小キズを消します。サイドウッドと背面も洗浄し、全体をアルコールで消毒して完成です。
すべての作業を終えて、ゴミに近い状態のデッキが新品のように蘇りました。音質もCDとの差が判らないくらい上々です。
【独り言】
オークションで、様々なデッキを出品させて頂いていますが、なぜか2万以下のデッキは人気がありません。特に2シリーズや、ESGシリーズは不人気のようです。高いデッキを落札頂くのは嬉しいのですが、どちらかと言うと2万以下のデッキをお勧め致します。ESL以降のデッキはジャンク品の価格が高いため出品価格が2万以上になってしまいますが、音質的にはESGシリーズでおまったく遜色ありません。また2シリーズも作りは3シリーズに比べ貧弱ではありますが、こちらも全く遜色ない音で録再できます。高価なデッキを落札される前に、2万以下のデッキも一度ご検討されてはどうでしょうか?
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